冬囲い

冬囲いの目的は何でしょうか。それは、雪から樹木を守ることです。雪の何から守るのでしょうか。それは、雪の重みです。植え付け一年目でまだ十分に根が張っていないという場合以外、注意するのはこの一点です。雪の重みで潰されないように守ること、これが冬囲いの主な目的です。基本的に、樹木にとって雪が害になるのはその重さによる破損だけです。

では、寒さについてはどうでしょうか。樹木にとって雪は冷たいのではないでしょうか。雪の冷たさから樹木を守る必要はありませんか。その必要ありません。雪は樹木にとって温かく、優しい毛布のようなものです。もちろん、屋根から雪が落ち樹木を直撃するような状況なら、それは樹木にとって凶器になりますので、その攻撃から守るためには樹木の上に丸太や筵などの保護材で覆ってガッチリ守る必要もあるでしょう。そういう危険な場所ではなく、普通に雪が下から順に上に積もる場所であるなら、樹木の上の雪の重みに耐えられるようにしてあげればいいのです。樹木を寒さから守るために、ビニールシートなどの覆いは特に必要なく、それはむしろ樹木にとって害になる場合があります。

では、冬囲いとして具体的に何ができるでしょうか。実際の作業として2つあります。まずは、雪の重みを軽減するために、雪が載る量を少なくする工夫が必要です。そのために、樹木の表面積を可能な限り小さくしなくてはなりません。そのために、枝を縄などで適度に縛って小さくまとめます。もう一つは、、雪の重みが直接樹木にかからないように外に分散させるために竹などで囲います。当然、そこには隙間ができて樹木は雪で覆われることになりますが、樹木にとってはそれがベストの状態です。つまり、雪の重みから守られながら、雪の毛布にくるまれることで、風による乾燥からも保護されるからです。

樹木が拷問にあっているような、痛々しい状況を目にすることがあります。まず目につくのは、樹木がブルーシートなどのビニール素材でぐるぐるに巻かれていることです。それに伴い、だいたい、樹木を締めすぎです。これにより、枝折れや樹木に変な癖がついて樹形が乱れることになります。まるで、電柱などの作工物を扱うような感覚ですね。これ、ほとんど生き物扱いされていません。特に問題なのは春先です。雪で覆われているうちはいいのですが、春先、太陽の熱で中が蒸れて、樹木は大変な目に遭っています。これは悲しい現実です。

冬囲いの目的は何か、樹木を雪のどんな要素から守る必要があるかを冷静に考えれば、大切な愛すべき樹木に対して余計なことをせずに、本当に必要なことだけをやってあげることができます。そのようにして、本当の意味で樹木を守ってあげたいですね。一例として、ドウダンツツジの冬囲いの例を下にアップしました。参考になれば嬉しいです。

作業1:縄で樹木を縛り、雪が載る面積を小さくする
適度に締め、枝を折らないように締めすぎに注意
作業2:根曲がり竹で囲う。覆いは必要なし
樹木は根曲がり竹により上からの雪の直接の重みから守られ、雪という優しい毛布で覆われることで風による乾燥から保護される。余計な覆いがないので、春先の雪解けとともに、徐々に自然に姿を現すことで蒸れて傷むこともない。雪で覆われるまでの間は紅葉が楽しめ、美観的にも良い

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