冬囲いの方法はいくつかあります。ここ留萌では丸太を支えにブルーシートで被うのが多く見られますが、屋根から雪の直撃を受けるという場合を除けばそこまでがっちりしなくてもいいかなと思います。以前私が住んでいた札幌では主に小木は根曲がり竹、中木は晒竹を支えにして縄巻きにしていました。冬囲いの目的である雪の圧力から樹木を守り、冬装束という美観からしてその方法もお勧めです。特に晒竹は冬囲い資材としては最高と言えるほど美しいです。ベージュの艶のある色と節が適度な間隔で並びすらっと伸びた姿は自然界の創造主が与えてくださった贈りものの1つです。
今年、お客様のお庭にシンボルツリーとしてナツツバキを植えました。大切な家の象徴となる木ですのでしっかりと守ると同時にシンボルとしての見栄えも考慮しなくてはなりません。ここで最高に美しい晒竹を使わない手はありません。では、その晒竹を使っての冬囲の方法についてお客様に写真をアップする許可をいただきましたのでこれからご紹介しますね。
施工前:
2.5mの株立ちのナツツバキです。余談ですが丸太の植栽マスはお客様がDIYでされました。変化があり、樹木によく合ってとてもお上手センスいいですね。
冬囲い資材:晒竹3.9m×4本、縄
1.下縛り:
冬囲いの基本ですが、雪が覆う面積を小さくするために枝をたたむようにようにして縄で縛ります。その際に枝を折らないように気をつけます。全体をすぼめるために高さに応じて何段かに分けて縛ります(この場合は3段)。
2.竹を立てる:
竹を刺す際はが倒れないような強度を出すために金テコなどを使い竹の下穴を少し樹木寄りに斜めに空けます(最低15㎝は必要)。この場合は4本分の4つの下穴は基本的に正方形になります。
3.竹を組む:
竹の交点が樹木の上になるように組みます。竹の組み方は1本竹を基準にしてその上に時計回りの方向に順に上にのせて揃えます。その際樹木の頂点よりも余裕を持って上に組むようにすると見た目のバランスが良くなります。
4.竹の頂点を縛る:
揃えた竹を縄で2重に縛り、組んだ竹の間に縄を下から上に通し引き上げてがっちり締まるように巻きます。最後は男結び(造園の基本的な縛り方)で縛ります。
結びの完成:2重に回した縄の間に縄を通しています。
5.下縄を巻く:
竹に縄を回して巻き付けます。その際は一番下から行います。縄を回す位置を決めたら、回す長さよりも少し長め縄を測り順に回していきます。
縄を回す際には緩まないように竹を中心に向けて少し押して圧力がかかるようにします。そうすることで竹の根元がしっかりして冬囲いの強度が増します。縄を竹に巻く際は下から上に縄を押さえるようにして縄の滑りを止めます。
同じ要領で下から上に適当な間隔で縄を巻いていきます。その際は一番下の縄のように竹を押さないで縄を竹に添わせるようにして巻きます。その際は縄がたるまないように直線に見えるように注意します。
6.完成:
完成です! シンボルツリーが影を潜めてシンボルタワーになりました!! この場合は縄は4段に巻いていますが何段に巻くかは高さによって決まります。美観面からは等間隔がよいですが、その時の状況、ご自分のセンスで自由に決めてください。
以上のような感じですが参考になったでしょうか。このナツツバキ君、今年さわやかな薄緑の葉を広げ、夏に白の可愛い花を次々に咲かせ、秋には鮮やかな真っ赤な紅葉で有終の美を飾りました。その後、葉を落とし、冬になった今お休みの最中ですが、今度はこちらが今までの働きに感謝を表す番です。冬囲いの目的は冬の間、樹木がゆっくりと安心して休めるよう優しく守り、その存在を示してあげることです。「ナツツバキ君、今年はご苦労様春までゆっくり休んでください」。そんな感謝の気持ちがこの冬囲いから伝わったら嬉しいですね。